9月特別講座「講師 三砂ちづる先生」

 9月22日に津田塾大学教授で公衆衛生を研究していらっしゃる三砂ちづる先生をお迎えして開催しました。世界各国で様々な、生や性や死に向き合っていらっしゃる、その一端をお話し下さいました。
2年前にご主人を自宅で看取られたというお話から始まり、病院で亡くなるのが当たり前の現在に、歴史を紐解きながら問いを投げかけてくださいました。また、産まれるのも病院であることが当たり前の現在に、出産の形態(特に新生児室)、授乳などについても知恵を授けていただきました。
 我々が常識だと思っていることも高々50年程度のことであり、代々引き継がれてきた遺伝子たちはびっくりしているのではいでしょうか?聞きながらそんなことを思いました。三砂先生の「私は50代になって何一つ経験していないということに気づき、愕然としました。」という言葉にドキッとしました。

 次の世代に何一つ「身体の知恵」「身体の作法」を伝え遺していない。

 生物として進化するとは、繋いできたものを全て捨てるということではなくて、抱えながら徐々に変化させていくことなのだと認識しました。産業構造や社会システムとは違う。ということを認識しなくてはいけません。身体を与えられた人間と、人間の都合で作ったシステムは違うのですね。 

 「産まれるのも、死ぬのも、できるだけ家の近くで。」この言葉に「身土不二」という言葉を思い浮かべました。グローバルが叫ばれる中で、今一度しっかりと考えてみたくなりました。

 
 翌日は高校で、大学の講義風に「おむつなし育児」をテーマにお話し下さいました。前日同様あっという間の90分でした。生徒の質問に的確に答えられ、そして様々な引き出しから例を挙げられることに感嘆しました。現京都大学学長の山極さんとの霊長類との研究のお話しが興味深かったです。改めて素敵な講演だったと今更ながらに噛みしめています。(更新が遅くなったのはすぐには頭と心の整理しきれなかったのです・・・それぐらい私の中では大きな出来事でした・・・)

 

 いつにも増して多くの参加者のみなさまに感謝いたします。お手伝いいただいた皆様方、ありがとうございます。そして、朴の森の岡本さんに感謝申し上げます。(蚊取り線香のタイミングが絶妙でした(笑))

 

 そして、三砂先生、お忙しい中をおいでいただきありがとうございました!